シームレス鋼管製造、冷間圧延VS熱間圧延
1. 製造工程の違い
熱間圧延シームレス鋼管は高温に加熱された後、圧延され、穿孔、管圧延、切断、冷却などの複数の工程を経て製造されます。冷間圧延シームレス鋼管は冷間圧延機で圧延され、酸洗、リン酸塩処理、鹸化、潤滑などの複数の工程を経て製造されます。そのため、熱間圧延シームレス鋼管は結晶粒が粗く、一定の靭性があり、冷間圧延シームレス鋼管は結晶粒が細かく、強度と硬度が高くなります。
2. 寸法精度の違い
製造工程の違いにより、熱間圧延シームレス鋼管と冷間圧延シームレス鋼管の寸法精度にも違いがあります。熱間圧延シームレス鋼管は寸法精度が低く、管壁の厚さが不均一で、管径と壁厚の偏差が大きいです。冷間圧延シームレス鋼管は寸法精度が高く、管壁の厚さが均一で、管径と壁厚の偏差が小さいです。そのため、冷間圧延シームレス鋼管は通常、石油化学、圧力容器などの業界など、高精度の寸法が求められる場合に使用されます。
3. 異なる機械的特性
熱間圧延シームレス鋼管と冷間圧延シームレス鋼管の機械的性質にも違いがあります。熱間圧延シームレス鋼管は製造工程が比較的簡単なため、引張強度と降伏点が比較的低いのに対し、冷間圧延シームレス鋼管は複数の工程を経るため、引張強度と降伏点が高くなります。また、熱間圧延シームレス鋼管は衝撃靭性が優れているのに対し、冷間圧延シームレス鋼管は衝撃靭性が低いです。そのため、冷間圧延シームレス鋼管は通常、機械製造、建築構造物などの高強度と高硬度が求められる分野で使用されています。
4. 異なる耐食性
熱間圧延シームレス鋼管と冷間圧延シームレス鋼管の耐食性にも違いがあります。熱間圧延シームレス鋼管の表面には欠陥や酸化物層が存在するため、耐食性が比較的劣っています。冷間圧延シームレス鋼管は複数の工程を経て加工されているため、表面の平滑性が高く、耐食性も優れています。そのため、化学、石油などの産業など、耐食性が求められる分野では、冷間圧延シームレス鋼管が一般的に使用されています。
5. さまざまな用途
熱間圧延シームレス鋼管と冷間圧延シームレス鋼管の用途にも違いがあります。熱間圧延シームレス鋼管は製造工程が比較的簡単で価格も比較的安いため、建築、機械製造などの分野で広く使用されています。冷間圧延シームレス鋼管は、高強度、高硬度、耐食性などの優れた特性があるため、石油化学、圧力容器、機械製造などの分野で広く使用されています。
まとめると、熱間圧延シームレス鋼管と冷間圧延シームレス鋼管は、製造プロセス、寸法精度、機械的性質、耐食性、用途の面で明らかな違いがあります。使用する場合は、実際のニーズと使用場面に応じて適切なシームレス鋼管タイプを選択する必要があります。